笠かぶり地蔵のお話し
むかし、むかし、あるところに田中伝四郎という長者様がいました。
今から220年ほども前のお話しです。富士市中之郷の小池に住んでいたので、小池長者とも呼ばれていました。
小池長者には、なかなか子どもが授からず、授かってもまだ赤ちゃんのうちに亡くなってしまい、たいそう悲しみにくれていました。
あるとき、宗清寺(そうせいじ)の観光和尚さまに、「どうしたら子どもが無事に産まれ、健やかに成長することが できるのでしょうか?」と尋ねます。
和尚様は「お地蔵さまを おまつりし、毎朝 手を合わせてお願いごとすれば きっと長者様のお願いごとは叶うであろう」とお話ししました。
さっそく長者様は信州の高遠に住む又兵衛と金左衛門に大きなお地蔵さまを作ってもらいます。とっても大きな石を由比川の上流から
よいこらしょ、どっこいしょと運びます。
笠被り地蔵様に、毎朝手を合わせてお願いごとをした長者様、何とすぐに子どもが授かり、そしてすくすくと健やかに成長していきます。
地蔵様は、山門の右側にあって、前を通る東海道にありました。街道の旅人たちに、「笠被り地蔵さん」と信仰を集め、東海道の名物となりました。今でも交通安全の守り仏・子育てのお地蔵様としてたくさんのお参りがあります。
小池長者さまのおうちは末永く栄え、今も幸せいっぱいに過ごしているとさ。
※ 安政の大地震まではお寺と幼稚園の前の道路が東海道でした。
',"sjis-win", "UTF-8"); ?>